専門家は、英国財務省のCBDC (中央銀行発行デジタル通貨) の拡大目標の中で、戦略的目標の実現に取り組む予定で、その中には、拡大するCBDCチームを率いること、CBDCの政策課題を分析すること、さらにCBDCに関する国際的関与において財務省の利益を代表し推進することなどが含まれています。
英国財務省は、デジタル・ポンドの利用を検討するため、中央銀行デジタル通貨の責任者の公募を開始しました。
LinkedInに掲載された求人情報には以下のような記載があります。
「適切な候補者は、デジタル・ポンドの可能性、すなわち英国の中央銀行デジタル通貨に関するHM Treasury (大蔵省) の作業のリーダーシップを担当することになります。この仕事は、重要で複雑かつ横断的であり、リーダーシップはHM Treasuryの内外を問わず広範な関与を必要とします。」
さらに、「この仕事は、変化が早く、注目度の高い分野で、重要な政策リーダーシップを発揮する事ができ、より広範なチームのリーダーシップと文化に積極的に貢献する意欲のある方に向いています。この役職につく方は、大臣や国民に大きな関心を持たれている多くの政策課題を主導している、支援的で緊密なチーム(PaymentsとFinTech)に参加することになります。」
候補者は、英国財務省のCBDCの戦略的目標を実現し、拡大するCBDCチームを率いて、CBDCの政策課題を分析し、さらにCBDCに関する国際的関与において財務省の利益を代表し推進することに従事することになります。
現在、英国政府は CBDC 問題の利点について議論をしています。2021年に、英国金融行動監視機構は、企業がフューチャー、オプション、そして上場債券(ETN)などの暗号通貨に関わる商品を、個人顧客に提供することを禁止しました。現在、規制政策委員会は、これらの商品が消費者にもたらす害に関する証拠が不十分であることを理由に、こうした判断は不当であると考えています。規制政策委員会の費用便益報告書によると、この措置による年間損失は約2億6850万英ポンド(3億3300万ドル)と評価されています。
2022年11月にFTX取引所が破綻して以来、CBDCの問題については意見が分かれました。イングランド銀行の元シニアアドバイザーであるTony Yates氏は、CBDCの利用に反対しており、「コストとリスクに見合わない 」と主張しています。一方、イングランド銀行副総裁のJon Cunliffe氏は、現状ではCBDCの必要性は明らかであると考えています。また、消費者と投資家を保護するために、英国における暗号の規制の必要性を強調しました。
「規制当局としての我々のアプローチを開示するべきだと考えています。つまり、従来の金融と同等の保証レベルを達成できるかどうか、また達成できる場合はどのように達成するかを探求するための準備ができているべきであると思います。しかし、それができない場合、より高いリスクと引き換えにイノベーションを実行するべきではないという事も、しっかりと伝えるべきです」と、Jon Cuncliffe氏は述べています。
バハマ、ナイジェリア、東カリブ海諸国、ジャマイカはすでにCBDCを発行しており、中国はCBDCの試験運用で他国をリードしています。世界の他の国も同じように、CBDCの導入を検討しています。公式金融金融機関フォーラム (OMFIF)の調査によると、世界の銀行の3分の2は10年以内にCBDCを発行すると回答しています。
本記事は下記出典元の許諾の上、翻訳版記事を掲載しております。
「NFT×写真」のゲーム!GALLUSYSのSNPIT(スナップイット)とは?
NFTによる参加型の街づくり!東急の「SHIBUYA Q DAO」とは?
商業利用できる!ディー・エル・イーのWeb3プロジェクト「鷹の爪団NFT」とは?
日本発のブロックチェーン!Astar Foundationがアジア市場に注力する理由とは?
Web3と規制・政策の「いま」と「これから」 元当局者・クエストリー内田氏が読み解く国家戦略の行方
レイヤー2「INTMAX」とは?真の金融インフラを開発する日置玲於奈氏の展望に迫る
ログイン
新規登録(無料)