近鉄不動産株式会社(大阪府大阪市)とクラスター株式会社(東京都品川区)は、2022年11月9日に「バーチャルあべのハルカス」プロジェクトを公表した。
この「バーチャルあべのハルカス」とは、近鉄不動産が運営する大阪のランドマーク「あべのハルカス」とメタバース空間を融合させる構想。メタバースプラットフォーム「cluster」上に、あべのハルカスを中心としたバーチャルの街が誕生する。
大手不動産企業がメタバース空間に乗り出す新たな取り組みであり、今後の動向が注目される。この記事では記者発表の内容とともに、クラスター株式会社エンタープライズ事業部のプランナー 佐野氏へのインタビューの模様を伝える。
近鉄不動産とクラスターが合同開催した記者発表会は、大阪で開催された。この記者発表会はメタバース空間にも中継され、メタバース時代の到来を象徴するイベントとなった。
この記者発表会の場で、近鉄不動産株式会社 経営企画室部長 楠浩治氏とクラスター株式会社 代表取締役CEO 加藤直人氏より、「バーチャルあべのハルカス」プロジェクトが打ち出された。
ーリアルとバーチャルが融合した「街づくり」
楠氏:「バーチャルあべのハルカス」は、近鉄グループ初のメタバースプロジェクトです。近鉄不動産の新たな取り組みとして、バーチャル空間への進出を加速させます。現実世界とバーチャル空間を融合した新しい「街づくり」に挑戦すべく、国内最大手のメタバース企業であるクラスターとともに「バーチャルあべのハルカス」プロジェクトを打ち出しました。
「バーチャルあべのハルカス」を皮切りに、今後は観光型メタバースや郊外型メタバースなど、バーチャル上でも事業を展開していきたい。「バーチャルあべのハルカス」は、2023年3月に一般ユーザーへのリリースを予定しています。
ーメタバースを活用したビジネスモデルの実証実験
楠氏:「バーチャルあべのハルカス」は、ビジネスモデルの実証実験の場にもなります。近鉄不動産が運営する展望台や美術館、近鉄グループが運営する鉄道や百貨店、ホテルなど多岐に渡ります。これらの施設をメタバースの中に入り口を作りそれぞれ業種に応じた新しいビジネスモデルの実証実験をしてまいります。
具体的には、「バーチャルあべのハルカス」を起点に百貨店ECサイトへ誘導するなどの展開が考えられます。このように「バーチャルあべのハルカス」を通じて、新たなビジネスモデルの実験・検証を進めます。
加藤氏:clusterでは、利用者のニーズ調査や行動分析も可能です。利用者の動線や滞在時間もデータ化できるため、ビジネスモデルの検証に適しています。
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