議会がFIT法を可決したとしても、CFTCが包括的な規制の枠組みを策定するには1年以上はかかるだろう。
商品先物取引委員会(CFTC)のロスティン・ベーナム委員長は、クリプト通貨の規制をめぐる懸念の高まりに対処するため、クリプト市場を指導する包括的な法律を制定するよう議会に要請した。
ビットコインやイーサリアムのようなクリプト通貨がここ数カ月で記録的な高値をつけるなど、デジタル資産のボラティリティが上昇し、導入が進んでいるなかでのベーナム氏の熱烈な訴えである。明確な規制の枠組みがないため、投資家と業界関係者の双方に重大な課題が生じ、市場操作や詐欺、違法行為に対して脆弱な状態になっている。
ベーナム氏は3月6日、下院農業委員会で演説し、投資家を保護し、金融市場の健全性を確保するためには、議会が規制を明確化することが極めて重要であると強調した。彼の証言はまた、クリプト空間を監督するCFTCの限られた権限を強調し、デジタル資産がもたらす独特の複雑性に対処するための統一的なアプローチの重要性を強調した。
規制されていないクリプトはリスクに等しい、CFTCが議会に警告
公聴会でベーナム氏は、クリプトが消え去りつつあるという考えは誤ったシナリオであると指摘した。そのため、投資家保護を最優先事項として総力を挙げることが、誰にとっても最善の利益になる、と彼は付け加えた。
同氏はこのように述べ、世界の規制当局や法律家がデジタル資産市場に対して、時間の経過とともに関連性を失うもののようにアプローチしていることを指摘した。しかし、過去10年間で、デジタル資産に対する需要は急増しており、そうでないことは証明されているという。
このため、ベーナム氏は議会に対し、「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法(FIT法)」の成立を強く求めている。FIT法は、デジタル資産に関する規制責任を明確にすることを目的としている。より重要なのは、デジタル通貨の適切な分類に関する問題である。つまり、何を商品や有価証券に分類すべきか、あるいは分類すべきでないか、ということだ。
ベーナムによれば、たとえ議会がFIT法を可決したとしても、CFTCがデジタル資産に関する包括的な規制の枠組みを策定するには1年はかかるだろうという。
このCFTC委員長の叫びは、世界的な規制当局の監視強化に伴うものだ。さらに言えば、いくつかの国の規制当局もクリプト業界に対する明確なガイドラインを確立するための取り組みを強化し始めている。
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