Terra ClassicのUSTCステーブルコインは1ドルを取り戻せるか?

ある開発者が、Terra Classicの以前のステーブルコインを1ドルペッグに戻すための提案書を提出したが、彼の計画には重大な欠陥がある。

Can Terra Classic’s USTC Stablecoin Ever Reclaim $1?
Shutterstock cover by your (edited by Mariia Kozyr)

ポイント

・Terraの開発者Tobias Andersen氏は昨日、Terra ClassicがUSTCを1ドルペグに安定させるための提案書を提出した。

・Andersen氏は、Terra Classicブロックチェーンに新しいビジネスを呼び込むことで、安定化を達成できると主張している。

・提案書には実行可能性という点でいくつか疑いの余地があるが、特に実際の価格安定化メカニズムが欠損している点が挙げられる。

USTCは、Terraの開発者が、かつてのステーブルコインを1ドルペッグに戻し、それを維持するように同社に呼びかける提案を発表したが、その直後にステーブルコインは57%上昇した。

どん底からの復活?

Terra Classicは、ステーブルコインの失敗からの復活を望んでいる。

Terraの開発者であるTobias Andersen氏は、昨日Mediumに投稿し、Terra Classic(または「Lunatics」)は、エコシステム(複数の企業や事業が互いに連携や依存しながら、市場全体として共存共栄かつ成長していく仕組み)の元のステーブルコインであるTerraClassicUSD (USTC) を1ドルペグに戻すことを目指すべきだと述べた。

この投稿により、USTCはBinance(トークンの流動性が最も高い取引所)で0.029ドルから0.045ドルへと57%強の高騰を見せた。その後、トークンは12%下落し、本稿執筆時点では0.039ドルで取引されている。CoinGeckoのデータでは、USTCは6月18日に0.006ドルで底を打って以来、592%上昇しています。

以前はUSTとして知られていた無担保型(アルゴリズムでコイン価格の安定性を図る)ステーブルコインは、Terraの主力商品だった。アルゴリズムにより、ユーザーは1ドル相当のLUNA(Terraのネイティブガバナンストークン、USTのバランシングメカニズム)を燃やすことで1USTを発行することができ、その逆もまた可能であった。このメカニズムによって、2021年の強気市場の間、LUNAとUSTは時価総額最大のトークンとなった。しかし、5月上旬にステーブルコインがペグを破り、投資家が信頼を失ったことで、負のフィードバックループも生まれた。UST、LUNA、そしてその他のTerraエコシステムが崩壊し、数日で暗号市場から400億ドル以上の価値が直ちに消失した。

現実的な懸念

Andersen氏の目標は野心的であるが、提案の内容は陳腐なものである。

Andersen氏は、USTC安定化の実現は、Terra Classicの既存のブロックチェーンインフラを利用する新規事業者にインセンティブを与えることで可能と主張している。そのために、Andersen氏はUSTCのバーニングメカニズムの実装、LUNCステーキングのロックアップ期間、部分スワップやパーティションプールの仕組みの構築(その後課税される可能性)などを提案している。しかし、Terraの開発者は、これらの機能の実装が成功しても、USTCがペグを取り戻すためにどのような形で役に立つのかを正確に説明できていない。

現在、ステーブルコインには大きく分けて3つのタイプがある。1つ目は、USDTやUSDCのような米ドルやユーロのような政府発行の通貨で作られた準備金に担保されているものである。2つ目は、MakerDAOのDAIは、オーバー担保プロセスを使用しているものである。ユーザーはETHやその他の暗号通貨を預け入れ、その資産に対してDAIを鋳造することができる。3つ目は、昔のUSTのようなアルゴリズムによるステーブルコインである。通常、コインの価格を安定させる方向に市場の力を誘導しようとするアルゴリズムメカニズムによって支えられている。

しかし、その1ドルの目標もまた、手の届かないところにある可能性が高い。この提案は、テラ・クラシック・ブロックチェーンのネットワーク活動とUSTCの価格上昇を混同しているようであるのだ。残念ながら、それだけでは十分ではないだろう。せいぜいネットワーク活動によってエコシステムのネイティブトークンであるLUNCの価格が上昇する程度で、USTCがTerraブロックチェーンにもたらされた価値の一部を取り込む仕組みが導入されない限り、かつてのステーブルコインの価格が変化する根本的な理由はないだろう。

また、USTCが純粋に投機的な資産にならずに、一貫してペグを維持する方法についても触れていない。

LUNATが真意のはっきりしない計画に希望を託したのは、これが初めてではありません。コミュニティは最近、今日0.00029ドルで取引されてLUNCトークンも1ドルに達する可能性があるという考えに落ち着いた。そのためには、トークンがビットコイン自身の時価総額を数倍上回る必要がある。

注意:執筆時、この作品の著者はBTC、ETH、その他いくつかの暗号通貨を所有していました。

本記事は下記出典元の許諾の上、翻訳版記事を掲載しております。
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