アリババが大改革に向けて、個別IPOが可能な6つの事業グループに分割へ

アリババ・グループ・ホールディング・リミテッド（NYSE: BABA）は最近、同社を6つのビジネスユニットに分割し、それぞれがIPOを目指す計画を発表しました。アリババは、「株主価値を高め、市場競争力を強化する」ことを目的としていると述べています。

アリババのIPOに焦点を当てた分割は、杭州に本社を置く同社の歴史の中で最も重要な再編成でもあります。アリババの株価は、この発表を受けて、米国の市場前取引で9％以上上昇しました。

アリババはこの発表の中で、各事業グループに最高経営責任者と取締役会を設置することを明らかにしました。同社は、6つのグループそれぞれに外部資金を調達し、株式を公開する能力を持たせることで、成長の再活性化を目指しています。アジアのイーコマースの主流であるアリババは、中国の経済成長が鈍化する中、数年の苦境に耐えてきました。さらに、中国政府による厳しい規制が続いたため、アリババの市場価値は数千億円にまで落ち込みました。

しかし、アリババの再編は、北京が中国の経済成長を復活させようとしている兆しがある中で行われました。アリババの創業者であるジャック・マー氏が、数ヶ月の海外生活を終えて帰国するなど、同国はテクノロジービジネスに対して再び好意的であると伝えられています。

アリババのIPOに特化した新分割事業グループについての考察

アリババの6つのビジネスグループは、同社の戦略的優先事項を中心に据えることになります。これらのグループには、Cloud Intelligence Group、Taobao Tmall Commerce Group、Local Services Groupが含まれます。その他、Cainiao Smart Logistics、Global Digital Commerce Group、Digital Media and Entertainment Groupがあります。

アリババのCEOである、ダニエル・チャン氏は、クラウドと人工知能の活動を伴うクラウドインテリジェンスグループの責任者になると伝えられています。一方、アリババのTaobao Tmall Commerce Groupは、TmallやTaobaoを含むオンラインショッピングプラットフォームに対応することになります。さらに、中国の起業家であるユー・ヨンフ氏が率いるLocal Services Groupは、フードデリバリーサービスのEle.meとマッピングをカバーすると述べています。Cainiao Smart Logisticsはアリババのロジスティクスサービスを統括し、経営幹部のWan Linが引き続きCEOを務める予定です。

アリババのグローバル・デジタル・コマース・グループは、ジアン・ファン氏が代表を務め、AliExpressやLazadaなどの国際的なEコマース事業で構成されています。第6の事業グループであるデジタルメディア・エンターテイメント・グループは、ファン・ルユアンが率い、アリババのストリーミングおよび映画事業を構成します。

IPOとは別に、この分割により、アリババは各サービスに専念することができます。同社は長年にわたり、イーコマース、ストリーミング、クラウドコンピューティング、ロジスティクスサービスを提供する総合的なビジネスへと成長してきました。

チャン氏は以下のようなコメントを出しています。

「この変革により、当社のすべての事業がより機敏になり、意思決定を強化し、市場の変化により迅速に対応できるようになるでしょう。」

各事業部門は独立して新規株式公開を目指すことができますが、Taobao Tmall Commerce Groupは引き続きAlibabaの完全所有となります。

アリババ2023年度第3四半期報告書

先月、アリババは2023年度第3四半期決算を発表し、予想を上回る結果となりました。同社は、コンセンサス予想の2451億8000万元（約4兆6900億円）に対して、247億7600万元（約4兆7300億円）の売上を達成しました。当時、アリババの株価も年初から7％上昇していました。

本記事は下記出典元の許諾の上、翻訳版記事を掲載しております。

source