映画やアニメ、音楽のようなエンタメ産業は、不特定多数の大衆に向けて発信されている。そのため事業者にとって、誰が熱狂的なファンなのかを把握しにくい環境にある。よって、事業者からファンに対して、一方通行のコミュニケーションとなりがちだ。また、映画やアニメ、音楽の制作には多額のコストが掛かるため、参入できるのは資本力のある一部の法人に限られている。
このようなエンタメ産業の仕組みを、NFTの力で変えようと挑戦しているスタートアップが存在する。microverse(マイクロバース)株式会社(東京都渋谷区)だ。microverseでは、主にエンタメ企業を中心としてNFTによるソリューションを提供している。マス層をターゲットにしているため、映画やアニメ制作、コンサートなどの幅広いシーンに導入できるのだ。
ブロックチェーンの仕組みでは、誰がNFTを保有しているかが一目瞭然でわかる。このため、エンタメ事業者は自社の熱狂的なファンを容易に特定できるのだ。加えてweb3の世界では、オンラインコミュニティによるユーザー同士の交流が盛んである。そのため、主催者とファンが近しい距離でコミュニケーションを取れるのだ。他にも、NFTの発行によって制作資金を集めることもできる。このように、microverseが展開するNFTサービスは、エンタメ業界の仕組みを変えるほどの可能性を秘めているのだ。
microverseのNFTサービスは、すでに導入実績も豊富である。実際に映画『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』では、上映前に記念のNFTが販売され、マス層のファンが手にしている。この他にも、有名アーティスト「ずっと真夜中でいいのに。」のコンサートでは、会場で記念のNFTが配られた。このように、大型コンテンツとの提携が実現しており、いくつもの成果を残してきている。果たして、どのように大企業とのタイアップを進めてきたのか。
このmicroverse株式会社でCEOを務める人物が、渋谷啓太氏だ。IT系スタートアップやweb3企業での経験を経て、microverse株式会社の創業に至っている。この渋谷氏が掲げるのは、「NFTを活用したコンテンツの民主化」だという。一体、NFTサービスによってどのようなインパクトを残そうとしているのか。
今回は、同社のCEO 渋谷 啓太氏へmicroverse株式会社のNFTサービスを中心として、以下の項目について聞いた。
NFTの社会実装を進める上で、マス層の取り込みは欠かせない。ブロックチェーン技術の活用を目指している読者の多くも、このマス層ユーザーへの普及活動に頭を悩ませていることであろう。この課題に対して、microverse株式会社の取り組み事例は大きなヒントとなるはずだ。
microverse株式会社 CEO 渋谷 啓太氏
ーまず、microverse株式会社の事業内容について、お聞かせください。
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