クリプト・ベンチャー資金調達、2023年第3四半期は低水準に

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アーリーステージのクリプト企業はまだ意欲的な投資家を見つけることができるかもしれないが、レイトステージのハイテク投資家はほとんどこの分野から撤退している。

かつて投資家の高揚感と急成長で繁栄したクリプト業界は、今年第3四半期のクリプト新興企業へのベンチャー資金調達額が2020年以来最低水準に急落し、最近、荒波に見舞われている。

調査会社PitchBookのデータによると、同四半期にベンチャーキャピタル(VC)がクリプト分野に投資した金額はわずか20億ドルで、前年同期比63%減という驚異的な数字を記録した。

クリプト資金の減少

2023年第3四半期におけるクリプトスタートアップのベンチャー資金調達の劇的な減少には、多くの要因が絡んでいる。PitchBookのアナリスト、ロバート・レ氏が強調するように、主要な理由の1つは、かつてクリプト領域でよく見られた「大型案件」の顕著な不在である。ディールの規模が小さくなり、全体的な投資額の減少につながっている。

クリプトの強気相場では、FTXデリバティブ取引所、OpenSea、Yuga Labsのような企業が大規模な資金調達の恩恵を享受し、デジタル資産とブロックチェーン技術の波に乗りたがっているベンチャーキャピタルから多額の投資を集めた。しかし、クリプト産業がますます厳しくなる監視や規制上の課題に直面するにつれ、ベンチャーキャピタルが大幅に撤退するなど、潮目が変わりつつあるようだ。

クリプト産業に対するベンチャーキャピタルの関心の低下は、新興企業にとって重大な課題となっている。レ氏は、「もし、ダウンラウンドであってもラウンドを調達できなければ、廃業するか、もっともっと低い評価額で買収されることになります。」と懸念を表明した。このジレンマは新興企業に限られた選択肢しか残さず、生き残りを困難なものにしている。

SBFの裁判とベンチャーキャピタルへの影響

さらに状況を複雑にしているのが、FTXのスキャンダルから続く影響だ。かつて新星だったFTXは、元CEOのサム・バンクマン=フリード氏ら幹部が詐欺容疑で刑事告訴されるなど、法的トラブルに直面している。これにより、クリプト業界におけるVCの役割や、FTXのような企業への投資について疑問が投げかけられている。

一流のVCであるセコイア・キャピタルは、FTXに多額の投資をしていた企業のひとつだった。しかし、今回のスキャンダルにより、VCはクリプト空間への関与を再評価せざるを得なくなった。FTXとそのトレーディング部門であるAlameda Researchは、独自のベンチャー投資も行い、ステーブルコイン・プロバイダーのCircleとPaxos、ブロックチェーン開発会社のAptos Labs、クリプトバンクのAnchorage Digitalなど、多様な企業ポートフォリオを構築していた。

FTXとアラメダが保有する新興企業への出資は、FTXが破産手続きを進める中で注視されている。FTXが投資したAI新興企業Anthropicの新たな資金調達ラウンドの存在は、債権者が株式の売却を通じて補償されるかもしれないという希望をもたらしている。

しかし、これらの新興企業の株式の大規模な清算売却は、クリプト新興企業のさらなる切り下げにつながる可能性があるという大きな懸念がある。

本記事は下記出典元の許諾の上、翻訳版記事を掲載しております。

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