2022年頃から、「Play to Earn(※1)」の要素を含むブロックチェーンゲームが台頭し始めた。個人ユーザーを中心として流行し、瞬く間にゲームを中心としたエコシステムが誕生したのである。このようにひとつのサービスを中心とした経済圏を構築できる点が、ブロックチェーンならではの強みだ。トークンの付与によってユーザーに特定のアクションを促せるため、環境保護などのシーンでの活用が期待されている。実際に、さまざまなプロジェクトが「X to Earn」を掲げてサービス展開を開始した。
※1 Play to Earn・・・遊びながら資産を稼げるオンラインゲーム。ゲームの基盤技術にブロックチェーンが組み込まれており、ゲーム内の成績に応じてプレイヤーにトークンが付与される。
このような環境下で、自社のソーシャルサービスにトークン経済圏を導入しようと取り組む企業が存在する。バーチャルワールド「Yay!」を運営する企業「株式会社ナナメウエ(東京都港区)」だ。同社の展開するバーチャルワールド「Yay!」は、800万人以上の登録者を抱えるほど人気のサービスだ。2023年11月8日に公開された「YAY ホワイトペーパーv2.2」において、このYay!にトークノミクス(※2)が組み込まれると明らかにされた。
※2 トークノミクス・・・トークンの発行から消費までの流れや供給量、需給コントロールの方法など、トークンの循環にまつわる全体像を指す。
しかも、ブロックチェーンに精通したユーザーだけでなく、暗号資産ウォレットを持たない初心者でも「Play to Earn」の醍醐味を経験できる仕組みになっているという。つまり、ブロックチェーンの上級者と初心者が共存できるエコシステムなのだ。
とはいえ、すでに人気となっているソーシャルサービスに対して、ブロックチェーンの要素を追加する今回の発表は意外とも言える。一体、ナナメウエはどのような将来像を描いているのか。
このナナメウエの創業者であり代表取締役を務めるのが、石濵 嵩博氏だ。2013年5月に学生起業をしており、約10年間にわたってソーシャルサービスを企画・運営し続けてきた人物である。そして現在は、バーチャルワールド「Yay!」とブロックチェーンを融合させようと取り組んでいるという。
石濵氏曰く「インターネットやスマホの登場で人々の生活が一変したように、ブロックチェーンは将来的に計り知れないほどのインパクトをもたらす」と語る。果たして、ブロックチェーンの社会実装は、世の中にどのような影響を及ぼすのだろうか。
今回はナナメウエの代表取締役である石濵 嵩博氏へ、バーチャルワールド「Yay!」へのトークン経済圏の導入を中心として、以下の項目について聞いた。
「自社の事業にトークン経済圏を取り入れたい」と考える事業者も多いであろう。とはいえ、既存のサービスとエコシステムの融合に関する事例はまだ少数に留まっている。そのような状況においてソーシャルサービスにトークン経済圏を導入しようと取り組むナナメウエの活動は、事業者にとってひとつの道標となるはずだ。
株式会社ナナメウエ 代表取締役 石濵 嵩博氏
ーまず、株式会社ナナメウエが展開している事業について、お聞かせください。
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