ブロックチェーン技術を活用した自律分散的なプロジェクトにおいては、コミュニティを中心としてプロジェクトが進行する。コミュニティには同じ志を持つ仲間同士が集まり、参加者のアイデアによって新たな企画が実行されていくのだ。参加者の熱量が高くなるほど、周囲に対する影響力は増大する。結果として新たな加入者を呼び寄せるため、コミュニティの拡大に繋がるのだ。
このような特徴から企業や有名ブランドもコミュニティ構築に関心を示しており、実際にadidasやPRADAといった世界的なブランドがNFT保有者向けのオンラインコミュニティを開設した。しかしこのような事例があるとはいえ、自律分散的なコミュニティの構築は容易ではない。なぜなら、参加者たちの熱量を常に高い状態に保たなければならないからだ。一旦勢いを失ってしまえば、立ち所にメンバーが離散してしまう。現に2021年頃から数多くのコミュニティが誕生したものの、求心力を失ったまま活動休止に追い込まれたコミュニティも存在する。
このような状況下において、事業としてコミュニティプロジェクトの運営に取り組む企業がある。マネックスグループの100%子会社である「マネックスクリプトバンク株式会社(東京都港区)」だ。同社が手掛ける「メタバース×NFT」のコミュニティプロジェクト「OASIS(オアシス)」には、約6,000人の参加者が集結している。
このOASISプロジェクトでは、誰もが自分らしく活躍できる空間作りを目指しているという。著名なアーティストやアスリートもパートナーとして参画しており、マネックスクリプトバンクの後ろ盾のもとに自律分散的なコミュニティが形成されようとしている。
またこのようなコミュニティ事業だけに留まらず、マネックスクリプトバンクでは法人顧客向けのWeb3コンサルティング事業も展開している。この事業には、OASISで培ったコミュニティ運営のノウハウが活かされているというのだ。マネックスクリプトバンクのWeb3コンサルティング事業とは、果たしてどのようなものなのか。
同社のOASISプロジェクトにおいてCommunity Ownerを務めるのが、塚田 竜也氏だ。OASISコミュニティの立ち上げから携わってきた人物であり、OASISのさらなる発展に向けて尽力している。流行の移り変わりが速いWeb3業界において、塚田氏はどのようにしてコミュニティ運営の舵取りをしているのだろうか。
今回はOASISのCommunity Owner 塚田 竜也氏へ、マネックスクリプトバンクが展開する事業を中心として、以下の項目について聞いた。
Web3領域において、コミュニティ運営のスキルは重要な要素である。しかしそれと同時に、画一的なマニュアルだけでは対応ができないため難易度は高い。Web3への参入を目指す読者も、コミュニティ形成の課題に直面しているのではないだろうか。そのような中で、マネックスクリプトバンクの取り組みからさまざまなヒントを得られるはずだ。
マネックスグループ株式会社 マネックスゼロ室 Web3事業 マネージャー
OASIS Community Owner 塚田 竜也氏
ーまず、マネックスクリプトバンク株式会社の概要について、お聞かせください。
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