2018年頃から、「Axie Infinity」や「STEPN」といったブロックチェーンゲームが急速に台頭し始めた。これらのゲームには「Play to Earn(遊んで稼ぐ)」の要素があり、楽しみながらトークンを得られるのだ。ブロックチェーンを経由して世界中のユーザーから資金がもたらされた結果、ゲームを中心とした経済圏は急拡大した。
ブロックチェーンゲームは新たなビジネスモデルとしての可能性を秘めている一方で、日本の企業にとっては参入が難しい。なぜなら会計制度上の理由により、トークンの発行や保有が難しいからだ。特に上場企業であるほど、さまざまな制約が足かせとなる。
このような市場環境にも関わらず、ブロックチェーンゲームのリリースを実現した企業が存在する。Web3エコノミー事業を展開している「株式会社GALLUSYS(ガルシス)(東京都新宿区)」だ。同社は、ギグエコノミーの実現を目指す上場企業「ギグワークス株式会社」の子会社としてブロックチェーンビジネスに挑んでいる。
株式会社GALLUSYSの手掛けるブロックチェーンゲームが、「SNPIT(スナップイット)」である。スマホカメラを活用した「Snap to Earn(撮影して稼ぐ)」型のサービスであり、写真を通して他のユーザーとバトルができるのだ。数多くの障壁が存在する中で、GALLUSYSではいかにしてブロックチェーンゲームをリリースするに至ったのか。
またこのSNPITでは、2024年1月にはタレントの指原莉乃氏が突如ゲーム内に登場し、参加者たちは大いに熱狂した。その盛り上がりぶりは、日刊スポーツでも報道されたほどである。ブロックチェーンゲームの話題が大衆紙で取り上げられるのは、異例だと言えるだろう。この他にもアイドルグループ「WHITE SCORPION」がスペシャルアンバサダーに就任するなど、SNPITはさまざまなプロモーションを展開している。ゲームを普及させるために、GALLUSYSでは一体どのような施策を展開しているのだろうか。
この株式会社GALLUSYSにおいて代表取締役を務めるのが、大塚 敏之氏である。新規事業を探索する中でブロックチェーンに大きな将来性を感じ、ギグワークス社内においてWeb3への参入を進言した人物だ。
大塚氏曰く「ブロックチェーンのプロジェクトを前に進めるには、多少の強引さも必要だ」という。新たなビジネスモデルに挑戦するには、不確定要素が多い中でもプロジェクトを前に進めなければならないというのだ。果たして、企業がブロックチェーン事業に参入する上で、どのような心構えが必要となるのか。
今回は、株式会社GALLUSYSの代表取締役である大塚氏へ、同社のブロックチェーンゲーム「SNPIT」を中心として、以下の項目について聞いた。
ブロックチェーン企画を実行するには、まず社内での承認プロセスを通過させる必要がある。しかし、ほとんどの決裁者はWeb3に関する前提知識を持たないであろう。そのような状況で、いかにして社内稟議に臨めばよいのだろうか。ブロックチェーン事業への参入を考える会社員にとって、同社の取り組みからいくつものヒントを得られるはずだ。
ーまず、株式会社GALLUSYSの概要について、お聞かせください。
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