ブロックチェーン上の取引における損益計算は、非常に複雑である。いくつもの異なる銘柄が混在する上に、為替レートまで考慮しなければならないからだ。取引の回数が多いほど計算は煩雑化するため、確定申告を控えたユーザーにとって悩みの種になっている。
株式投資の場合では、納税に必要な計算を証券会社が代行する。これに対してWeb3の世界では自己責任が原則であり、取引に伴う損益計算をユーザー自身がすべて行わなければならない。このような面倒事は、仲介者がいないWeb3ならではの煩わしさだと言えるだろう。ブロックチェーンをマス層のユーザーにまで普及させるには、このような課題を解消する必要がある。
そこで確定申告におけるユーザーの作業負荷を減らすべく、Web3の損益計算ツールを開発したスタートアップが存在する。株式会社pafin(東京都千代田区)だ。pafinのサービスでは、暗号資産やDeFiによる取引を可視化できる。ブロックチェーン上の損益計算を自動で処理できるため、ユーザーは複雑な計算作業を行う必要がなくなるのだ。
この株式会社pafinを率いる人物が、代表取締役の斎藤 岳氏である。外資系投資銀行でのファンド運用業務を経て、Web3領域での起業に挑戦した人物だ。この大胆なキャリアチェンジの背景には、ブロックチェーンの将来性に対する確信があったのだという。果たして、どのような理由からWeb3領域での起業を決断したのであろうか。
またNFTやゲームなど、Web3における起業には幅広い選択肢がある中で、なぜ損益計算ツールの事業に挑戦しようと決めたのか。斎藤氏曰く、「自己責任が求められるWeb3領域では、ユーザーを支えるインフラの重要性が増すためだ」という。一体、Web3時代に求められるインフラサービスのあり方とは、どのような姿なのであろうか。
今回は同社の代表取締役である斎藤 岳氏へ、Web3の損益計算ツールを中心として、以下の項目について聞いた。
Web3の世界では中央集権的なシステムが存在しないため、ユーザー自身があらゆる操作をしなれけばならない。このWeb3における複雑さが、マス層にサービスを浸透させる上での障壁となっている。よって、誰もが扱いやすいサービスを提供するには、Web3インフラの整備が欠かせない。このような課題に対して、多くの事業者が悩みを抱えていることだろう。そのような中で、pafinにおけるWeb3インフラ事業への挑戦は大きなヒントとなるはずだ。
株式会社pafin 代表取締役 斎藤 岳氏
ーまず、株式会社pafinの事業内容について、お聞かせください。
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