Web3に関するプロジェクトの中には、コミュニティを起点として進行するものも多い。コミュニティ主導の企画では、有志のメンバーが集いプロジェクトの今後について熱い議論が交わされる。特にNFTが発行されているプロジェクトでは、NFTの保有者が運営の中核を担うのだ。このような運営方法により、ゲームやSNSのサービス開発が進んでいく。
このようなWeb3文化を取り入れて、ゼロからアイドルを育成しようと挑戦する企業が存在する。大手テレビ局の「日本テレビ放送網株式会社(東京都港区)」だ。同社が手掛けるプロジェクト「NFT IDOL HOUSE」では、NFT保有者を中心とするファンがアイドルを育てるのだという。従来はコンテンツを一方的に受け取る立場であったファンが、アイドルのプロデュースに参画するのだ。なぜマスメディアである日本テレビは、NFTを駆使したアイドルの育成プロジェクトに乗り出したのだろうか。このプロジェクトにたどり着くまでには、どのような経緯があったのか。
このNFT IDOL HOUSEの仕掛け人が、コンテンツ戦略局に所属する井上 統暉氏だ。新規事業を探索する中で、「アイドル×Web3」の可能性を見出したという。井上氏曰く、「NFTによって、新しいファンのあり方として推し活3.0が実現する」という。果たして、日本テレビが展開するNFT IDOL HOUSEとは、どのようなプロジェクトなのだろうか。
今回は、日本テレビ放送網株式会社のコンテンツ戦略局でNFT IDOL HOUSEを担当する井上 統暉氏へ、同社のWeb3事業を中心として、以下の項目について聞いた。
NFT IDOL HOUSEは、大手マスメディアによる大規模なWeb3プロジェクトである。アイドル育成という斬新な試みは、他社でも類を見ないだろう。ブロックチェーン事業を展開しようと考える読者にとって、日本テレビの施策は大いに参考となるであろう。
ーまず、日本テレビ放送網株式会社における新規探索への取り組みについて、お聞かせください。
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