少子高齢化による人口減少や過疎化が地方にとっては大きな課題となっている。こうした地方が抱える課題を解決すべく、内閣府などが中心となって、都市部への人口や産業の集中を是正して、地方が持続可能な成長力を確保することを目的とした「地方創生SDGs」が推進されている。
参考:地方創生SDGs(https://future-city.go.jp/sdgs/)
地方創生の課題解決に活用が期待されている技術がブロックチェーンだ。NFTやDAO、トークン発行などを活用すれば、地方の関係者人口を増加させ、特産物の売上向上や観光客誘致などが期待できる。実際にふるさと納税NFTやデジタル村民などのブロックチェーンを活用した地方創生の事例も増えてきている。
地方創生におけるブロックチェーン活用事例として注目したいプロジェクトがある。それが株式会社日添の「#旅するジモト」だ。NFTを活用した「ジモトパスポート」によって、都会で暮らしながらも、多彩な特徴を持つ6つの地域の地方創生に関わることができる。
「#旅するジモト」とは?Web3の基本概念を採り入れた地方創生の新しいカタチとは?
株式会社日添の代表取締役日野正基氏に、地方創生への取り組みや今後の展望を聞いた。
株式会社日添 代表取締役 日野正基氏
ー株式会社日添についてご紹介ください。
株式会社日添は、2018年に熊本県球磨郡五木村に移住して創業しました。地方創生事業をはじめ、移住促進事業や人材育成事業、デザイン事業、カフェ事業、商品開発支援などを行っています。
私は新潟県の出身で、大学在学中に中越地震の復興支援に携わったことをきっかけに、2009年から中越復興市民会議に参画しました。インターンシップ事業「にいがたイナカレッジ」や移住者発信メディア「移住女子」のプロデュース、地方での起業支援、移住に関する研究、集落の計画づくりなど、多くの地方創生事業に携わってきました。
そんな中、熊本県五木村出身で、現在は株式会社日添の取締役を務める土屋と知り合いました。五木村は村民がわずか1000人ほどで、九州で人口密度がもっとも低い地域といわれています。信号もコンビニもありません。何の娯楽も無い村のように思えますが、実は豊かな自然と暮らしがあります。素晴らしい特産品も多くあり、非常に魅力的な地域なのです。
土屋は五木村の魅力を発信し、故郷を盛り上げたいという思いを抱き、地元にUターンすることを考えていました。私も事業が一段落したことから、次のステップを考えていたタイミングでした。そこで思い切って熊本県五木村に移住し、地方創生事業を立ち上げることにしました。
私たちが事業を通してつくりだしていきたいことは、そこに暮らす地域の人たちが、なんでもない日常のなかで「なんだか、しあわせだな」と感じることです。地域の人と一緒に考えながら活動していくことで、地方創生に貢献していきたいと考えています。
ー昨今のWeb3やNFTに対する世の中の反応をどの様に捉えていますか?またそれらを活用した地方創生の取組みについて見解をお聞かせください
地方創生のためにブロックチェーンが活用され始めてはいますが、まだまだこれからという印象です。新潟県山古志村のデジタル村民などの有名なプロジェクトが増えてきていますが、もっと地方創生に活用される事例が増えていくと良いと思います。
地方創生とブロックチェーンの活用は非常に相性が良いと感じています。小さなコミュニティでもNFTや仮想通貨を発行して資金調達ができたり、非中央集権的で自律分散的に活動ができるプロジェクト(DAO)を作ったりすることができるからです。
地方創生を盛り上げていくためには、ブロックチェーンの活用がもっと幅広い分野で進むことやトークン発行に関わる税制面の見直しなどが必要になってくると感じています。
ー2020年GWに始動された「#旅するおうち時間」について教えて下さい。
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