不動産業界における賃貸契約では、大家や管理会社、仲介会社などさまざまな組織が関与する。よって、賃貸契約書を締結するには事業者間をまたいだ事務作業が必要となるのだ。また、不動産業界は歴史の長い産業であるため、書面や電話を用いた昔ながらの業務フローが数多く残っている。
このような不動産業界において、2022年5月からオンラインによる賃貸契約が法的に認められるようになった。とはいえ、過去に前例がなくルールも複雑であるため、オンライン契約に適した業務システムが存在しないのだ。このような市場環境の中で、不動産に特化した電子契約システムを開発し、いち早く社内へ導入した企業が存在する。東証グロースに上場している不動産会社「株式会社アンビション DX ホールディングス(東京都渋谷区)」だ。同社が開発した電子契約システムでは、ブロックチェーンが基盤として採用されている。ブロックチェーン技術に関して、多くの企業が実証実験の段階で足踏みしている一方、いち早く実装を完了させた同社の取り組みは特筆すべきだろう。
この株式会社アンビション DX ホールディングスで特に力を入れているのが、不動産業界のデジタル化である。その社名が意味する通り、不動産業界をDX(デジタルトランスフォーメーション)によって変革しようと挑戦しているのだ。
同社の電子契約システム「AMBITION Sign」を活用すると、社内の業務効率を改善しながら顧客の満足度も高められるのだという。果たして、ブロックチェーンを活用した電子契約システムとは、どのようなものであるのか。
株式会社アンビション DX ホールディングスのDX推進室で室長を務めるのが、中村 勇介氏だ。IT分野での起業やコンサル業を経験してきた人物であり、次なる仕事として不動産業界のデジタル化に挑んでいるという。中村氏曰く「契約時やトラブル時にしか対応しない仲介業者は、やがて生き残れなくなる」とのこと。そこでアンビション DX ホールディングスでは、デジタル化による顧客サービスの拡充を目指しているのだという。一体、同社はどのようなビジョンを描いているのであろうか。
今回は、同社のDX推進室で室長を務める中村 勇介氏へ、ブロックチェーンを活用した電子契約システムを中心として、以下の項目について聞いた。
ブロックチェーンに関心を持つ企業の多くは、その使い道について模索を続けている。そのような中で、アンビション DX ホールディングスはブロックチェーンを基盤としたシステムの導入にいち早く成功した。Web3技術を自社のビジネスに活かそうと考えている読者にとって、同社の取り組みは大いに参考となるであろう。
株式会社アンビション DX ホールディングス DX推進室 室長 中村 勇介氏
ーまず、株式会社アンビション DX ホールディングスの事業内容について、お聞かせください。
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