ブロックチェーン技術の現在と今後の課題とは?関西学院大学 副学長 巳波教授がわかりやすく解説

『ブロックチェーン技術は投機的なイメージが強くリスクを感じる』

『ブロックチェーンをビジネスに活用するためにはどうすればいいのだろうか?』

ブロックチェーンについて、こんな不安や疑問をお持ちの方も多いのではないだろうか。

ブロックチェーンは暗号資産に利用されている技術のため、暗号資産のボラティリティの高さや海外取引所の破綻などのニュースによって、ブロックチェーン技術に対してもネガティブなイメージを持ってしまいがちだ。

しかし、ブロックチェーンの耐改ざん性や公平性は計り知れない可能性に満ちている。

ブロックチェーン技術とは、P2Pネットワークと暗号化技術、コンセンサスアルゴリズムなどによって、非中央集権的にデータを自律分散管理できる仕組みをいう。

暗号資産はブロックチェーン技術を活用した一例に過ぎず、ブロックチェーンの本質的な可能性や将来性は、暗号資産以外の分野でも急速に拡大している。

ブロックチェーン技術の未来とは?日本企業が世界に取り残されないためには、どんな課題に取り組めば良いのだろうか?

数理工学、アルゴリズム工学、情報科学、数学の権威であり、関西学院大学 副学長でAI活用人材育成プログラム統括やクリプトエコノミクス研究センター長も務める巳波弘佳教授に、ブロックチェーン技術の現在と今後の展開について聞いた。

はじめに巳波様のご経歴について教えて下さい。

関西学院大学 副学長 / 情報化推進機構・機構長 / AI活用人材育成プログラム統括
/
クリプトエコノミクス研究センター長/工学部・情報工学課程・教授 / 巳波弘佳 氏

(略歴)
1992年東京大学理学部数学科卒業、同年日本電信電話株式会社(NTT)入社、NTT通信網総合研究所研究員、研究主任を経て、2002年関西学院大学理工学部情報科学科専任講師。2006年助教授を経て、2012年教授。2000年京都大学博士(情報学)。専門分野は数理工学。現在、関西学院大学副学長、情報化推進機構長、工学部情報工学課程教授。AI活用人材育成プログラムプロジェクト統括。文部科学省 数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムモデルカリキュラムの全国展開に関する特別委員会委員等も務める。

 大学で数学を学んだ後、企業の研究所で数理工学と情報通信技術に関する研究開発に従事しました。
2002年から現在の大学で研究・教育に携わっています。現在は、関西学院大学の副学長および情報化推進機構長として関西学院全体のDXを推進しています。

 主な研究分野は、数理工学、アルゴリズム工学、情報科学、数学です。AI(人工知能)の高性能化・リアルなCGの製作・ビッグデータの解析・AIドローン制御・新材料開発・創薬・ブロックチェーン・インターネット制御・宇宙物理学や化学におけるビッグデータ解析など、さまざまな応用領域において、数理的な研究から実用化まで幅広く行っています。

 また、AI活用やDXを推進する人材育成のために学内外に提供する教育プログラムであるAI活用人材育成プログラムを立ち上げ、企画・開発・運営も行っています。

 

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