SNSやYouTubeの台頭により、一般消費者までもが企業や商品の口コミを世間に対して発信する時代となった。また同時に、インターネットのおかげで同じ嗜好を持つ者同士が交流しやすい環境も整備された。このような背景から、インターネット上では企業やブランドの愛好家が集い、商品に関する談義に花を咲かせている。
一昔前まではテレビや雑誌の広告が企業と消費者との接点であったが、現代のカスタマージャーニーは複雑化している。そのため、顧客の自社ブランドに対するロイヤルティ(忠誠心)が重要視されるようになった。このロイヤルティの高いファンを巻き込み、顧客と共にプロモーションを展開するのが現代のマーケティング手法である。
ファンの力を借りてブランドを普及させる戦略は、まさにWeb3文化と共通している。Web3プロジェクトでは、参加者の自発的な貢献によってコミュニティが拡大する。運営者と近い距離でプロジェクトを支援できる点が、ファンにとっての醍醐味だ。
このようなWeb3特有の文化には、世界の大手ブランドも注目している。実際にStarbucksやadidasなど名だたる一流ブランドがWeb3領域に参入し、NFT発行やコミュニティ形成を進めてきた。コミュニティ内での交流によって、自社に対するコアなファンが生み出されている。この潮流から、Web3と現代のマーケティング手法は相性が良いと言えるだろう。
このWeb3の特徴を取り入れて、「ブランドと顧客」や「クリエイターとファン」の新たな関係を実現しようと挑むスタートアップが存在する。NFTロイヤルティプラットフォームを運営する企業「PONT株式会社(東京都渋谷区)」だ。同社のNFTプラットフォームサービス「beyondClub(ビヨンドクラブ)」では、事業者の発行したNFTがファンの手元に届く。ファンの企業への貢献度に応じて、このNFTもグレードアップする仕組みになっているのだ。そしてNFTのランクが上がると、ファンは優良顧客向けの特典を受けられる。要するにNFTを介したインセンティブ制度があるため、ファンが自発的に企業やブランドを支援しようと活動するのだ。
実際にbeyondClubは、ドッグフードの通販サイトで採用された実績がある。企業と購入者が近い距離で交流し、共にドッグフードのブランドを育んでいくのだという。一体、beyondClubの導入は企業にどのような効果をもたらしたのか。
このPONT株式会社においてCEOを務める人物が、脇山 雄気氏だ。Webアプリ制作の現場でプロダクトマネージャーを務めた後に、「クリエイターを支援したい」との思いから起業した経歴を持つ。脇山氏曰く、「beyondClubによって、ブランドと顧客の新たな関係性が実現する」という。果たして、Web3を活用したマーケティングのあり方とは、いかなるものであろう。
今回は、同社のCo-FounderでありCEOの脇山 雄気氏へ、NFTロイヤルティプラットフォームを中心として以下の項目について聞いた。
NFTを活用したマーケティング戦略は、今後大きな注目を集める可能性がある。なぜなら、
世界的な有名ブランドがNFTを活用したファンコミュニティの形成に乗り出しているからだ。NFTを活用したファンマーケティングのあり方を模索する読者にとって、beyondClubの取り組みは大いに参考となるだろう。
PONT株式会社 CEO & Co-Founder 脇山 雄気氏
ーまず、PONT株式会社の概要について、お聞かせください。
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