メタバース空間は、人間の新たな生活空間になると期待されている。そこでは仕事、ショッピングや音楽ライブを楽しめるなど、もう一つの人間社会が形成される。このメタバース空間で過ごす上で欠かせないものが、ユーザーの分身「アバター」だ。
現実社会において、人間の見た目は一人ひとり異なる。同様にメタバース空間でリアルな体験を追求するならば、個々のアバターにも個性の表現ができなければならない。こうした中、自分好みのアバターを手軽に制作できるアプリを提供する会社がある。株式会社Gugenka(新潟県新潟市)だ。メタバース空間を世に普及させるため、さまざまな施策を行っている。今回は、株式会社Gugenkaが仕掛けるメタバース戦略について、同社の代表取締役CEO 三上 昌史氏に聞いた。
ーまず、株式会社Gugenkaの概要についてお聞かせください。
株式会社Gugenka 代表取締役CEO 三上 昌史氏
三上氏:株式会社Gugenkaにおける事業の柱は、メタバースにおけるコンテンツ製作です。日本のアニメコンテンツに特化しており、キャラクターのアバターやデジタルフィギアの製作を手掛けています。
Gugenkaの前身は、Webマーケティング系の会社です。2010年ごろARサービス「junaio」の利用をかわきりにプロモーション手段の一つとしてXR(※1)事業に取り組む中で、本格的にメタバース産業へ注力するようになりました。その後2017年に人気アニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」のVRをディベロップメント&パブリッシャーとして発表。2018年には黎明期のVtuber業界で「東雲めぐ」をデビューさせるなどを経て、今では、さまざまなプラットフォーム上でコンテンツを展開しています。かつてWebマーケティングで培った技術も、メタバースの世界でも役に立っています。
私が最初にXRデバイスで現実世界とヴァーチャルの融合を体験した時に、メタバースの大きな可能性を感じました。「もしアニメの世界のようなワクワクするような日常が過ごせたら、人々の生活がより豊かになるのではないか」との思いを胸に、メタバース事業への挑戦を続けています。
※1 XR(Extended Reality)・・・エクステンデッド・リアリティの意。現実とヴァーチャルが融合した空間を指す。XRはバーチャル技術を広義に捉えた概念であり、個別には後述するARやVRなどさまざまな手法が存在する。
ーメタバース空間の将来性について、三上CEOはどのようにお考えでしょうか。
三上氏:「リアルとバーチャルの境目があいまいで継ぎ目のない世界」が実現されると考えています。世の中は多様化しているため、人によってメタバースに期待するニーズはさまざまです。現実世界をAR(※2)またはMRで便利にしたいという人もいれば、VR(※3)で仮想世界を楽しみたいという人もいるでしょう。したがって、ニーズに合わせて多種多様なメタバース空間が生まれるはずです。つまりリアルも包括したメタバースを私たちはイメージしています。
このような予測から、Gugenkaが手掛けるアプリケーションもさまざまなプラットフォームに対応できるように設計しています。
※2 AR(Augmented Reality)・・・拡張現実の意。現実世界にデジタル映像を加えて、現実世界を拡張する手法。
※3 VR(Virtual Reality)・・・仮想現実の意。ヴァーチャル空間の中で臨場感のある没入体験ができる手法。
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