日本発のブロックチェーン!Astar Foundationがアジア市場に注力する理由とは?

Web3による日本の復権を目指し、「Japan as No.1 again」を掲げて活動する組織がある。「Astar Network」というブロックチェーンの開発をリードする「Astar Foundation」だ。

Astar Networkのファウンダーは渡辺 創太氏という日本人であるため、日本発のブロックチェーンとして国内の企業からも大いに注目されている。2021年1⽉にPolkadotのテストネットに接続してから着実な成長を続けており、トークンの時価総額で上位100位以内に名を連ねるまでに至っている。

ファウンダーである渡辺 創太氏は政治家や大企業の経営陣とも交流を深め、日本におけるWeb3の機運を生み出してきた人物のひとりだと言える。チームJAPANとして世界で戦うために、昨今ではさまざまな日本企業をプロジェクトに巻き込んでいる。

具体例として、2023年2月にはソニーネットワークコミュニケーションズとStartale Labs(Astar Networkの事業会社)の間で、ブロックチェーンを共同開発するための新会社「Sony Network Communications Labs Pte. Ltd.」を設立した。この他にも、日本航空や博報堂との共同プロジェクトが進行中である。このような背景から、日本企業がブロックチェーンへ参入する際に、Astar Networkをプラットフォームの候補として挙げるのである。

Astar Networkは、もともとPolkadotのパラチェーンとして勢力を拡大してきた。そして、2024年2月にはEthereumのレイヤー2ソリューション「Astar zkEVM Powered by Polygon」のリリースに乗り出した。

なぜ、Astar NetworkはEthereumにレイヤー2ソリューションを構築することとなったのか。また「Astar zkEVM Powered by Polygon」の登場によって、利用者はどのようなメリットを得られるのか。

Astar Networkの普及に取り組む組織が、「Astar Foundation」である。非営利組織という公益性を担保した立場から、事業者のAstar Network導入を支援している。このAstar Foundationにおいて日本市場の事業戦略を統括する人物が、Yuhong Chen氏だ。日本Microsoftでインターン生として活動していた際に出会ったAstar Networkに衝撃を受け、Astar Foundationに参画した経歴を持つという。

Yuhong Chen氏曰く「ブロックチェーンのマスアダプションを進める上で、アジア市場の重要性が高まっている」という。Astar Networkも、日本をはじめとするアジア地域に注力しているようだ。果たして、エコシステムを拡充させるために、Astar Foundationではどのような戦略を描いているのだろうか。

今回は、Astar Foundationで「Head of Japan Business Development」を務めるYuhong Chen氏へ、Astar Networkを普及させるための計画を中心として、以下の項目について聞いた。

  • 新たにEthereumのレイヤー2ソリューションをリリースした狙いとは
  • 2024年アジア地域を最注力地域に位置付けているその背景とは
  • SONYやJALといった日本を代表する企業からスタートアップまで、様々な企業との業務提携はどのように進められているのか

日本発のブロックチェーンであるAstar Networkは、アジア地域でも大きな注目を集めている。実際に2024年1月には、アジア主導でブロックチェーンの普及を推し進めるために、韓国のWeb3コンサルティング企業「DeSpread」との業務提携を発表している。Astar Networkは、アジア地域からブロックチェーンを広げていこうとしているようだ。自社の事業へブロックチェーン導入を検討する上で、Astar Networkが進める事業戦略は大いに参考となるだろう。

非営利組織という立場から、Astar Networkの普及を目指す

ーまず、Astar Networkに関連する団体である「Astar Foundation」と「Startale Labs」について、双方の組織の違いを教えてください。

 

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