海外のNFTプロジェクトは、ジェネラティブコレクションによる展開が一般的だ。ジェネラティブコレクションでは複数のパーツをランダムに組み合わせて、数千から数万枚の異なる絵柄のNFTが発行される。ジェネラティブで生成されたNFTコレクションは統一感のあるデザインでありながら、細部が異なる唯一無二の一点物だ。そのためNFTとしての希少性を維持した上で、同じコレクションを持つ者の間に仲間意識が醸成されやすい。このNFT保有者たちのコミュニティから生まれる「熱狂」こそが、ジェネラティブコレクションの原動力となる。しかし、海外で一般的なジェネラティブコレクションも、日本においてはそれほど事例が多くない。なぜなら日本はNFTコレクターの人口が少なく、熱狂が生まれるほどの勢いに達しないからだ。
こうした中、日本発でいち早く登場したジェネラティブコレクションが「Neo Tokyo Punks(ネオ東京パンクス)」である。NFTのリリース前から大きな話題を呼び、2,222枚もの発行枚数にもかかわらず数分で完売するほどの人気を博した。Neo Tokyo Punks独特の近未来を感じさせる世界観と和のテイストは、NFT市場で高い評価を得ている。現在ではプレセール価格から30倍以上の値がついており、安定的な市況価格を維持している。
このようなNeo Tokyo Punksにおける躍進の秘訣が、「熱狂を生み出す仕掛け作り」だ。運営者の繊細なコミュニティ設計によって、参加者が自発的に関与する仕組みが構築されている。実際に、コミュニティの参加者たちは積極的にプロジェクト普及へ勤しんでおり、毎日のように新たなコンテンツが生まれている。直近では一人のNFT保有者が発起人となり、企業を巻き込んだARコンテンツイベント「Neo Tokyo Clush」まで開催された。このようにコミュニティ内部の「熱狂」により、Neo Tokyo Punksは飛躍的な成長を遂げてきた。。
今回は熱狂を生み出すNFTプロジェクトの成り立ちや秘策について、Neo Tokyo PunksのファウンダーであるNIKO24氏に聞いた。またNFTの冬の時代に突入した現在において、NIKO24氏が考える「今後のビジョン」と「次なる施策」に迫る。
Neo Tokyo Punks Founder NIKO24氏
ーまず、Neo Tokyo PunksにおけるNIKO24様の役割についてお聞かせください。
NIKO24氏:私はファウンダー兼NFTクリエイターとして、Neo Tokyo Punksの運営に携わっています。現在は株式会社を立ち上げ、法人としてNeo Tokyo Punksを運営しています。
ーNIKO24様がNFTに取り組まれた経緯について、お聞かせください。
NIKO24氏:私は、幼い頃から漫画やイラストに興味がありました。とはいえ就職した会社は、イラストとは無縁の一般企業です。会社員の傍らで、2017年頃から仮想通貨投資を始めました。当時は海外で「CryptoPunks(※1)」が大きな注目を集めていた時期です。しかし、その時の私はそれほどNFTに関心を抱きませんでした。
転機が訪れたのは、2021年の春頃です。日本国内のクリエイターが徐々にNFTへ参入している姿を目の当たりにし、NFTに対する興味が湧きました。さらに、NFT挑戦へのきっかけとなった出来事が、仮想通貨投資での巨額損失です。2021年6月、私が投資していた仮想通貨銘柄「TITAN」の価値が暴落し、数百万円の損失を被ってしまいました。この損失で一念発起し、再起するためにNFTへの挑戦を決意しました。
※1 CryptoPunks・・・ジェネラティブNFTコレクションの元祖。数千万円から数億円の高値で取引された事例もある。
ーNFTプロジェクト「Neo Tokyo Punks」の概要について、お聞かせください。
NIKO24氏:Neo Tokyo Punksは、2022年3月にリリースしたNFTプロジェクトです。海外のマーケットを意識して、サイバーパンクやアニメ調のイラストをテーマとしました。加えて、ストリートファッションを感じさせるデザインを盛り込んでいます。ジェネラティブコレクションとして2,222枚ものNFTを発行しましたが、パブリックセールでは開始2分で完売するほどの人気でした。
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